「縮小する秋田の生き残り戦略」の発刊に際して
暮秋の候、皆様にはお変わりなくご健勝のこととお慶び申し上げます。
この度、秋田県の将来の医療提供体制について議論する際の参考にと考え、社会医療法人正和会医療福祉総合研究所、高橋勝弘特別研究員と共に「縮小する秋田の生き残り戦略」を取り纏め発刊することとなりました。
秋田県医師会長時代に私が発案し、平成31年3月に秋田県医師会が公表した「秋田県医療グランドデザイン2040」は、県内外から高評価をいただきました。その後の提言を具現化するための活動は、コロナ禍であったため、道半ばで休止状態となっております。
そのような中、秋田県当局は、グランドデザインで提言した2次医療圏を8つから3つとする方向性を打ち出しました。この英断には、深甚なる敬意を表します。この英断に応えるために、本拙書は新たな3つの2次医療圏の現在から近未来の医療需要をはじめとする医療を取り巻く環境を分析し、それを踏まえたより具体的な提言を纏めたものでございます。
秋田県は今、全国的に65歳以上人口がピークを迎える2040年の20年先を歩んでおり、今後秋田県は、全ての分野で成長と縮小を同時に成し得なければならない局面にあると考えております。その中において、この難局を乗り切り、県民の医療への期待に応える責務が私達医療人にあると考えております。
是非医療に携わる全ての方々に一読していただき、将来の秋田の医療を考える際の一助になれば幸甚でございます。
2024年11月吉日
社会医療法人 正和会
理事長 小玉弘之